★ 弘法大師空海の唐留学中の師,恵果は「密教は奥深く,文章で表すことは困難である.かわりに
図画をかりて悟らないものに開き示す」と言って,両界曼荼羅・教典・法具を造って空海に授け,日
本に帰国して布教することを勧めました.
ユング心理学でなじみ深い曼荼羅は,このようにして日本に伝わりました.
★ 恵果の「密教」を「人の心」に,また「図画」を「イメージ」に,「悟らないもの」を「悟らない心」に置
き換えて,「人の心は奥深く,文章で表すことは困難である.かわりにイメージをかりて悟らない
心に開き示す」とすると,私たち一般社団法人日本創作療法学会の基本的立場の一端を説明してい
ることになります.
★ 弘法大師空海は「御請来目録」で恵果の言葉を引用して,「密教の真理は奥深く,本来言葉で表す
ことはできない」と記されています.ただしかし,「されど,それ(言葉)なしには,伝えることも悟る
こともできない」とも述べられています.
★ 弘法大師空海の「密教の真理」を「人の心」に置き換えて,「人の心は奥深く,本来言葉で表す
ことはできない.されど,それ(言葉)なしには,伝えることも悟ることもできない」とすると,これ
もまた私たち一般社団法人日本創作療法学会の基本的立場の一端を説明していることになります.
★ 一般社団法人日本創作療法学会はこのように,「非言語によるコミュニケーションと言語によるコ
ミュニケーショ ンとの双方」を,ちょうど「車の両輪のように,セラピーの重要な手段として重要視」
しています.
★ なお曼荼羅は美術的な視点で鑑賞し,感想を述べ合うだけでは理解できません.同様にクライエント
さんのイメージによって創られた諸作品なども,美術的な視点で鑑賞し,感想を述べ合うだけではクラ
イエントさんとセラピストとの相互理解,並びにセラピーは深まりません.
★ そのため一般社団法人日本創作療法学会では,臨床心理学や深層心理学,臨床色彩心理学の
知見を基に, クライエントさんの創った作品の投映分 析的理解法の研究と普及とを目的に活動を行っ
ています.
★ また一般社団法人日本創作療法学会認定セラピストの養成,認定を行っています.
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【引用図書資料】 「空海と密教美術」展覧会公式図録 東京国立博物館,読売新聞社,NHK,NHKプロ
モーション : 音声ガイドスペシャルゲスト・ナビゲーター 北大路欣也 |